十戒

"シナイ山の契約:道徳の基礎となる"

エジプト脱出後 シナイ山

⛰️ 神と人間の契約

旧約聖書出エジプト記によれば、エジプトの奴隷生活からヘブライ民族を率いて出てきた指導者モーセは、シナイ山に登り40日間の断食祈祷の末に神から二つの石板を受け取ります。ここには十戒と呼ばれる10の戒律が刻まれていました。「私のほかに神があってはならない」という宗教的戒めから「殺してはならない」、「盗んではならない」という倫理的戒めが含まれています。

📚 西欧文明の倫理的土台

十戒は単なる宗教規則を超えてユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教信仰の根源となりました。また古代ハンムラビ法典とは異なり、王や祭司長も例外なく守らなければならない普遍的で絶対的な道徳法として、西欧の法律と倫理意識の根幹を形成しました。神の前での万人の平等と正義を宣言した古代の憲法なのです。